臨床實驗
患者統計より見たる近視と慢性軸性視神經炎との關係に就て—緒論
市原 正文
1
1飯田橋病院
pp.272-276
発行日 1952年3月15日
Published Date 1952/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201117
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近視に關する問題は西歐に於ては19世紀の後半以來諸家の盛んな研究が相次いで爲されて來た。我が國に於ても近視に關する業績は,非常に多いが特に近年は其の成因に關して實驗的に,或は統計的方面から多くの發表が爲されて來たが,尚議論の盡きない有樣である。當教室に於ては先ず伊東教授の2)「年齡と屈折異常の變移」。「學童の統計に現れたる近視」。4)「視力及び屈折異常の検査の理論と實際」。或は5)「學校近視の認識,其の豫防及び治療」を初めとして,北村氏の13)「千葉醫大生に於ける近視統計」。横地氏の21)22)23)「屈折状態と年齡との關係に就て」。等の貴重な研究が爲され特に,我が國青少年に多い輕度近視の意義に就て,或は其の威因に關して大きな關心が拂はれて來た。
又,慢性軸性視神經炎(以下慢軸と略す)に關して伊東教授は初め6)「一種の輕症球外視神經炎に就て」と題し,次いで7)「軸性視神經炎の鑑別診斷」。
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