臨床實驗
接眼レンズによる圓錐角膜の治療
水谷 豊
pp.19-21
発行日 1952年1月15日
Published Date 1952/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201038
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緒言
圓錐角膜の治療法に就ては,古來多數の方法が考案され且實施されて來たが,いずれも確實な効果は期待出來ず,最近吾國に於ても庄司,佐藤氏等による角膜切開手術が主として採用されているが,技巧的な手技を要し,結果的に完全な効果の期待出來ない場合も多い。圓錐角膜そのものゝ發生原因に就ては植物神經系異常,内分泌障碍等いろいろの説があるが,尚不明の點が多く從つて菲薄となり突出した角膜を發生原因的に消腿させる治療法は現在全く考えられない。故にその治療法は當然局所的治療に求めなければならない。著者は結果の不正確な手術的療法よりも,光學理論的に完全である接眼レンズの使用に依る治療を計畫した。吾國に於ては現在迄接眼レンズの入手が困難であつたので,著者自身の考察に依り合成樹脂による接眼レンズを作製し使用した。この新作接眼レンズに依り圓錐角膜患者に豫期以上の成果を得たので,こゝに數例を報告し御參考に供したいと思う。
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