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I.緒言
コンタクトレンズ(以下CLと略す)装用時に,時としてCLの角膜中央部付近に,ちようどゴルフのボールの表面あるいはブドーの房のような,境界のはつきりした多数の小さいくぼみが集まつている所見を認めることがある。そして,そのくぼみには気泡が入り込んでいる(第1,2図)。この所見はすでに1960年F.Dickinson以来数氏によつて報告され,CLに関する参考書には定型的な図が示されている。Norman Bierは著書の中でこの所見を記述し,この症状に伴う視力障害を特にdim—ples veilと称した。また長谷川信六(1964)は,角膜の周辺部ことに角膜の3時および9時位にできるDelleと区別するために,角膜中央部のくぼみをcentral tinydimplesと呼ぶように提唱している。J.M.DixonらはCL装用者のうち,角膜上皮のdimplesを観察した65人について,比較的詳細にその臨床像を述べ,dimples内の気泡についての化学的な小実験を行ない,この気泡が水蒸気飽和の空気であることを証明している。またdimplesの形成については,まず角膜上皮に小点ができ,これらの点が数および大きさを増してからくぼみができる。くぼみが一定の大きさに達すると,瞬目運動によつて気泡が集まり,そこに留まるようになるとしているが,ではこのくぼみがどうして出来るのかについては明らかにしていない。
Formation of dimples under the contact lens in the central corneal area has been observed in 40 eyes of 31 subjects. Steep fitting of the corneal contact lenses was the major cause of formation of dimples. The dimples disappeared either by decreasing the steepness of the con-tact lens, by modification of the width of the bevel or the diameter of the contact lens, or by providing with an outlet for the bubbles by means of a hole in the center of the contact lens.
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