臨床實驗
接眼レンズによる角膜亂視の治療
水谷 豊
pp.473-474
発行日 1952年6月15日
Published Date 1952/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201189
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緒言
屈折異常としての亂視眼の治療は,一般には圓柱レンズの裝用に依り矯正が可能であり,又この方法のみが殆んど唯一の治療法と考えられる。最近吾國では,順天堂醫大の佐藤勉氏が亂視に對する角膜後面切開法なる新術式を考案せられて實施中であるが,これは正亂視の治療法であり,角膜不正亂視に對しては適當な方法ではないようである。從つて角膜不正亂視に對する治療法は現在殆んど放棄の状態にある。又正亂視の治療法にしても,手術療法には相當の熟練を必要とし,その成果も必ずしも正確無比とは申し難い缺點がある。著者は嚮に圓錐角膜に接眼レンズを應用して,最も優秀な治療法であることを報告したが,續いて上述の角膜亂視があり,普通眼鏡(圓柱レンズ)では全く矯正不能の患者教例に之を應用し,著しく良好な成績を得たので,こゝに報告し御參考に供したいと思う。
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