症例
圓板状角膜炎に就いて
淸澤 兼久
1
1横浜中央病院眼科
pp.392-394
発行日 1949年9月15日
Published Date 1949/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200439
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角膜にヘルペスが出來る事は既熱性にヘルペス,帶状ヘルペスの際に見られ角膜の知覚障碍を伴ふことから神経性疾患とされていたが,1920年Wilhelm Grüter氏は之の家兎角膜への接種に成功し以來1種のウヰールス性疾患と見なされるに至つた.其の角膜に於ける病像は例に依り異り或るものは小水泡樣でフリクテン樣の浸潤を形成し或るものは之が樹枝状に排列し樹枝状角膜炎となり或ひは角膜実質の円板状混濁を來し円板状角膜炎の像を呈し或るものは角膜上皮及び分泌物等か紐状に捲縮し絲状角膜炎となる.私は最近円板状角膜炎3例をはじめ数例のヘルペス性角膜炎を経驗しアンチモン剤及びビスムート剤の注射を行い著効ありたるを以て之を報告し併せて些か私見を述べる次第である.
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