Urological Letter
膀胱内からの尿管切石術/髪の毛によるペニスの絞扼と顕微鏡の接眼レンズの拡大鏡としての応用
pp.811,827
発行日 1977年9月20日
Published Date 1977/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202421
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膀胱壁内か膀胱直上部の尿管内に結石が嵌頓し尿管を閉塞したような例には,すべての泌尿器科医がいつかは遭遇するはずである。こうした結石は,最も良い条件下でも,しばしば結石の部に到達し結石を除くことが難しいし,時には,以前に起こつた線維化の結果,結石の部位に達するのに膀胱を周囲から広く剥して尿管を動かさなければならないことがある。筆者のこの報告は次に記すような方法で6例に実施した経験に基づくものである。
膀胱には術者に最も慣れた普通の恥骨上式で達し,膀胱を適当に露出して切開し,両側の尿管口を確認する。ついで患側尿管口の三角部側,すなわち後側に4-0クロミックで一針ぬい,印をつけておく。その尿管口の前側で粘膜面に半円形の切開を行ない,この部を鋏を使いあるいは鈍的に剥し,尿管を露出する。この部の尿管への操作はあたかも尿管膀胱再吻合術の始まりのような具合に進める。この術式を用いることによつて,末梢部尿管は容易に,少なくとも4cmは動くようになる。そこで垂直に尿管を切開すれば結石はたやすく摘出できる。そのあとは4-0ないし5-0のクロミックカットグートの結節縫合で尿管を閉じる。8FのBardhamカテーテルを尿管内にしばらく支柱として入れておく。
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