綜説
眼結核の病理と治療に關する研究(Ⅱ)—眼結核の治療に關する研究
生井 浩
1
1九大眼科
pp.771-776
発行日 1951年12月15日
Published Date 1951/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201001
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緒言
ストレプトマイシン(以下スと略)の抗結核療法剤としての價値は,我國に於ても他科領域では既に種々検討され,其の結果が相繼いで發表されているが,眼科領域に於ては未だスト治療を試みた個々の症例報告があるに過ぎない。
一方結核化學療法剤の發展もめざましいものがあり,Promin,Diazone次でPromizoleの有效性がFeldman&Hinshaw (1944)により報告され,他方パラアミノサリチル酸(PAS)の效果がLehman等(1944)により報ぜられ,最近ではContebenが獨逸に於てDomagk等(1948)によりその效果を謳われている。そしてストと其等化學療法剤の併用により,治療效果の増強を期待し得るのみならず,一方後者がストの缺陥とみなされる結核菌の耐性獲得を阻止する事實がある事が知られるに到つた。然し眼結核に對する其等實例の併用療法はGrigtiolo (1948),Woods&wo-od (1948-49)及びBietti (1950)の實驗研究と臨床報告があるのみである。
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