臨床實驗
統計的觀察より見たるフリクテンの諸問題—特に其の發生機轉に就ての考察(第1報)
鈴木 宜民
1
,
渡邊 喜代
1
1千葉醫大眼科
pp.334-337
発行日 1951年5月15日
Published Date 1951/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200855
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緒言
フリクテンは日常吾々が最も屡々經驗する疾患の1つであり其の研究の歴史もない。殊に其の病因論に關しては今世紀に入つてからも多くの先輩に依り,詳細な實驗的研究が爲され,略々解決されたかの感を與えるのであるが,個々の點に就いて考えてみる時,尚十分に解明されていない點が有る樣に思われる。本症の統計に就ては之又從來多數の報告があるが今次大戰後のものは末だ少い。渡邊は先に今次戰後3ケ年間の「フ」の統計に就き簡單に報告していたが,茲に其後2年間の材料を加え更に「フ」の病因論に關し聊か考察を加えてみたいと思う。
統計材料 本篇に於て取扱つた材料は今次大戰後の昭和20年9月1日より昭和25年8月31日迄滿5ケ年の間に於ける教室外來を訪れた患者總數19497名に就き調査したものである。勿論同一患者でも年度改まれば1人として計算した。尚甚把状角膜炎は都合に依り本統計より除外した。
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