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臨床実験
フリクテン患者の遠隔豫後(第1報)—フリクテン發生時の結核合併症との關係
The Remote Prognoisis of the Phlyctaen. Report 1.:The Relation between the Remote Prognoisis and the Tuberculosis when Suffering from Phlyctaen
小原 博亨
1
1名古屋鉄道病院
pp.843-847
発行日 1954年8月15日
Published Date 1954/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410201945
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フリクテン(以下フとす)は主として結核に基調を置くアレルギー性疾患とされて居る。実験的に結核菌以外の異種蛋白でもフの発生する事が久保木氏及び船石氏等に因り明かにされて居る。亦最近では生井氏及び九大眼科教室員により臨牀的に真性のフの見做されたものの組織細胞の超生体染色を施すと多核白血球を主とするものが混在して斯るものは仮性フであるとされている。併し此の方法は臨牀医にとつては患者に苦痛を与える事と亦,時間的にも困難である。此の臨牀的に結核性フと考えられる幾何の者が結核発病し,或は如何なる経過を取るかと云う事は結核予防上極めて重要である。夫は第Ⅰにフの発現は結核の感染後比較的早期に来る事が多い事,第Ⅱには比較的多い眼疾患である事,第Ⅲにはフは専門医以外の一般の人々にも判断が比較的出来易い事,此の3事項があるからである,
フ患者の遠隔予後即ち他の臓器の結核発病を知る事は眼科医に取つて比較的困難であるため,其の重要性にも関らず其の報告は比較的少く只,断片的報告があるのみである。
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