臨床實驗
健眼並に緑内障眼の負荷試驗に就て—第7報 緑内障眼の暗順應に就て
鎌尾 保
1
1熊本醫大眼科
pp.316-318
発行日 1951年5月15日
Published Date 1951/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200850
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
緒論
緑内障眼の暗順應障碍は屡々現われる症状であるが,Mauthoerは慢性緑内障の初期症状として暗順應障碍をあげている。Treitelは38眼の緑内障眼中10眼の夜盲を證明しVossiusはこの暗順應障碍と視野狭小とに密接な關係があると云い,Januelは暗順應障碍はなかつたと云つておる。Horn (1907)も緑内障に著明の暗順應障碍をみて緑内障の初期診断に必要であると述べている。Schmidt-Rimpler(1930)によれば緑内障の初期及び旺盛期に於ても必ずしも常に存在するものではないと述べている。Stargardt (1910)も同樣緑内障性陥凹のある眼でも暗順應障碍はあることとない事があると云つている。Elliot(1920)は光神の減弱が認められることを述べIgershei-merは暗順應の低下が緑内障の最初發症状であると述べている。
Tschenzowは(1924) Nagelの順應計で測定して初期緑内障以外は総てに於て光神が低下しているとなし緑内障診断法として價値があると述べている。
Copyright © 1951, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.