臨床實驗
健眼並に緑内障眼の負荷試驗に就て—第2報 頭部欝血による眼圧変動に就て
鎌尾 保
1
1熊本医大眼科
pp.454-458
発行日 1950年11月15日
Published Date 1950/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200706
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第1章 緒論
眼内充血が眼圧に重要な影響を持つことは誰しも考える所でそれに関する文献も多数見られる.此の眼内充血を起させるには藥物による方法と機械的に起させる方法がある.後者に関して最初に報告したのはWesselyで1906年第33囘独乙眼科学会席上之を発表して居る.即ち家兎の頸部をBier氏ゴム帶で緊縛すると頭部浮腫の外著明な結膜淨腫並に眼球突出を來すと同時に眼圧は2〜3mm水銀柱の上昇を來し,緊縛を取ると眼圧は次第に低下すると云つて居る.
其の後動物に就ての実驗が相次いで行われMazzei(1921)は犬の頸靜脈の結紮により眼圧の上昇を,矢田(大14年)氏は家兎で外頸靜脈を両側結紮して眼圧の上昇を認めて居る.Schulze (1907)は家兎の頸部圧迫で眼圧の上昇を20例の内1例に認め又Bonnefon (1922)は家兎の頸部圧迫で眼圧の下降を認め廣瀨(昭7年)氏は170〜180mm水銀柱を境としてそれより小さい圧の圧迫では眼圧は上昇し,それより大きい圧の際は下降すると述べた.田村(昭8年)氏は頸部を硬き兎箱の如きもので圧迫すれば頸部交感神経,迷走神経刺戟の爲眼圧は下降すると述べて居る.
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