臨床實驗
著明なる縦橢圓形角膜を起した所謂角膜周邊溝形成症に就て
荻野 紀重
1
1前橋醫大眼科
pp.312-314
発行日 1951年5月15日
Published Date 1951/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200848
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緒言
角膜周邊溝形成症は周邊溝角膜炎(Schmitt-Ri-mpler),周邊擴張性ヂストロフィー(Terrien)角膜周邊硬化萎縮症(Fuchs),老人性角膜周邊萎縮症(Fuchs),角膜周邊擴張症(Lauber)等多くの名稱により記載されているが,角膜輪部内側に沿い環状の溝を形成し,後に此部の部分的擴張を起す極めて特異な疾患である。外國に於ては,1881年Trümpyの報告以來約100例が見られているが,本邦では明治42年河本教授が初めて發見して以來11例が文献に見られ,其他Klinische Monatsblätterに石川氏7)の1例が報告されている。組織學的檢索も既に可成り見られるが,本邦では鹿兒島,石川の兩氏が行つているに過ぎない。私は最近定型的な本症の1例を經驗し,切除組織片による組織學的檢索を行つた外,種々興味ある所見を得たので報告する次第である。
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