臨床實驗
色感に關する研究—第1篇 石原色盲表と人工照明
關 亮
1
1東京醫大眼科
pp.173-181
発行日 1951年3月15日
Published Date 1951/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200802
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緒論
石原氏色盲表の使用上の注意として「色彩は之を照す光の色に從つてその色が異つて見え,また之を照す光の分量に依つて其の明度が異つて見えるから,色盲檢査は必ず晝間,明るい室内に於て行うことを要するとあるが,天然晝光と言つても地球の緯度,季節,時刻,採光條件等により其の分光エネルギー分布に相違があり,當教室の松尾氏が四季の色の明るさに及ぼす影響を研究している。
Kissin P.は天然晝光下に時日を變えて色神異常者に色盲表を讀ました處,約20%は讀み方が異つたことを報告している。此の樣に天然光は照明光としては不安定である。又色自檢査が晝間に限定されるのも不便である。依つて色盲檢査が常に一定なる光色を有する人工照明下に行われれば之等の缺點が除去されて理想的である。而して其の人工照明の光源たるべきものは平均晝光に近似するを要する。然るに照明學の發達は此の平均晝光に類似する人工光源を得る事に成功し,1931年International Commission on Illumination (以下I.C.I.と略す)の會議に於て各國の代表者が此のエネルギー分布をもつた光源を國際的標準光源として採用した。この標準光源はI.C.I.光源Cとして知られている。其の他之に類似のものとして晝光電球,眞色燈,ムーア管燈,晝光色螢光放電燈,組合せ燈等がある。私は數種の人工照明によつて石原氏色盲表が如何に判讀されるかを研究した。
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