談話室
石原忍先生から教えて頂いた「色盲検査表の検査距離を75〜100cmとする理由」に就て
南 熊太
pp.833-834
発行日 1963年6月15日
Published Date 1963/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410202758
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陸軍に応召中,軍医特に眼科専門の軍医の金科玉条として身近かに何時も持つていて私自身これによつて多数の軍医予備員或は徴兵医官の教育に用いたものに「視機検査方法」と言う部外秘の本があつた。これには陸軍省医務局長名にて「視機検査ハ概ネコノ視機検査方法ニ拠リ之ヲ施行スヘシ」と書いてあるのであるが,この視機検査方法はもともとは石原先生が陸軍にいられる頃お書きになつたものであろうと思つている。これは総論,各論,附録及び附図より成り,総論は第1章検査の順序,第2章検査ニ際シ一般ニ注意スヘキ事項,各論は第3章視力検査,第4童視力障害の検査,1.角膜計使用法,2.斜照法,3.徹照法等となつている。次に陸軍でよく用いられ,部外秘になつていたものに「大正5年式色神検査表」があつた。これは第1表が(や)であり,誤読の表はあ→ち,ま→よ,ほ→は,き→さ等であり,曲線の表もあつたが,要するにかなり多数の表から成つていた。(この色神検査表の中の一部の表を集めたものが,終戦後に半田屋医療器械店より発行された石原先生考案の「ひらがな色盲検査表」と思われる)。
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