臨床實驗
V.B2缺乏症(Ariboflavinosis)の眼症状
弓削 経一
1
1京都府立医大
pp.373-376
発行日 1950年9月15日
Published Date 1950/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200670
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AriboflavinosisとはV.B2複合体中の成長促進因子即ちRiboflavinの欠乏症の意である.
Goldberger, Wheeler, Lillie and Rogers (1926)によつて,酵母の水溶性Vitaminの中から抗神経性Vi-taminの他に熱安定性の第二の因子,即ちV. B2又はV.G.或はP. P.因子(ペラグラ予防因子)が分離せられた.更に卵白,牛乳等に含まれる黄色色素Flavinが量的にV.B2の成長促進因子と一致することが明かにせられFlavinはV.B2中の成長促進因子に他たらぬことがわかり(Gyorgy, Kuhn其の他1933)半乳から得られたものはLactoflavin (Kuhn,其の他1933)と云われた.其の構造上,側鎖の5炭糖がRiboseであるから一般にRiboflavinと云われる.Banga&Gyorgy (1932)は豚の心筋から黄色色素Cytoflavを得,之がWarburgのYellow ferment (1932)と講造が同じであることを明かにし,Kuhn & Rudy (1936)は,更にGybrgyのCytoflav)がRiboflavinの燐酸エステルであることを証明した.Riboflavinは故に体内では合成不能の黄色酵素の色素部分を形成し(Co-ferment)酸化環元系に重要な物質である.
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