談話室
中村教授の「總會記」を讀んで
國友 昇
1
1日大
pp.216
発行日 1950年5月15日
Published Date 1950/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200587
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十何年ぶりかに京都の春にしたつて東京に帰つて來た私は,盛会であつた総会のあれこれを思い出して,今年は早速研究に取りかゝらなければと思つた。総会は弓削教教授や府立医太の先輩,医師の方々の御盡力で順調に運営された.又,講演の内容も戰前に戻つた.安閑として居れなくなつた.うれしい悲鳴である.そう云う私の所え臨眼第4号が屈いた.中村教授の総会記を読んで「自分も評議員の一人だが」とつぶやくと眞摯に講演し討論された会員諸兄に應える所あつたかどうかを省みて自責の念にかられた.
元來私は学会縁の薄い男で,台湾に昭和12年に行つてから引揚げる迄に唯一囘岡山であつた学会に出たばかりで,ほんとに顏を出す事が出來る樣になつたのは茲3〜4年である.從つて評議員にして頂いたのも最近で新米の方である.こんな新米が意見を述べる事は甚だ潜越であるが,総会記を読むと若い者よ意見を云つてみろと云う声がするので一筆書かして頂く.
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