私の經驗
福島義一氏の日眼總會印象記を讀んで
倉知 與志
1
1金澤醫大眼科
pp.499-500
発行日 1949年11月15日
Published Date 1949/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200484
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本年は淺學である私が日眼總會司會の大役を仰せつかつたが,これは當地が非戰災地であることに理由の大半があることゝ愚考いたした次第であるけれども,私としては名譽の限りであつて,この機會を與えられた日眼評議員諸賢,並に開催に關し絶大なる援助を惜しまれなかつた金澤眼科集談會及び教室同窓會の方々には衷心から謝意を表します。幸に大過なく總會を終了し得たのは,すべてこれら諸賢の御後援と出席各位の御協力との賜物であつて,私の感銘措く能わざるところであります。
さて,學會終了後各誌にその印象記が掲載され本誌第3卷第6號にも福島義一教授のものがのせられたが,同教授はその中で,私が閉會の辭の中で「本年度學會に於ては未完成研究の發表が多い樣に思われた」という意味の言葉を述べた如く記述して居られるが,これはもし多數の方々がその樣に受取られたとすれば,私の表現が拙なかつたのであるから,貴重な紙面を塞いで恐縮ではあるが,一言訂正させて頂き度い。私が言わんと欲したのは「發表研究の中には立派なものもあつたが中には質的な面に於て稍々弱力なものもあつた樣に感ぜられた」ということであつて「今一息」などゝ言う用語をしたため「未完成研究」ととられたのかも知れないが,私の眞意は上述の通りであつてこれは開會の辭中で「このプログラムに並べられた60題は,とにもかくにも日本眼科の現有勢力を示すものである。
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