始めて總會に出席して

　會場に到着，先ず驚いたことは，會場を取まく山の樣な會員の群です。全國から集つた協會員の熱心な姿を，眼の前に拜見して，私は，とても強いものを感じました。醫學書院，メジカルフレンド社を始め，遠來の客や，この大會にサービスするお店の立並ぶ間を通り抜け，混雜した受付で，もみくしやになり乍ら，やつとの思いで，二階の席に座る事が出來ました。受付混亂の爲，やゝ遲れて開會，靜にトバリが開けば，協會章を中央に，26年度通常總會の大文字が，鮮かに，掲げられ，G．H．Q．看護課の，ミス・オルト，ミス・オールソンから，贈られた豪華な盛花が，匂わしく飾られ，正面ステージには，帰朝早々の井上會長をはじめとして，役員の方々が，ずらりと居並んでいます。一階前半は，代議員，一般會員席も，どこからどこまで，超滿員の盛況です。

　厚生大臣，都知事，G．H．Q．公衆衛生福祉部長サムス准將，看護課長ミス・オルト等の御祝詞を頂き，午後からは，親しく秩父宮妃殿下御臨席の下に，議事がすゝめられ，プログラムの進行と共に，私にも，どうやらこの會の内容，使命が，始めて明確に解つた樣な氣が致しました。手にしている，總會の澤山のプリントと，壇上の人達とを見合せ乍ら，何ものもが，目新しく，興味のもてる物事ばかりでした。