発行日 1953年12月15日
Published Date 1953/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661909466
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今回,機会があつて特急つばめ号の一等乘客となりましたが,私にとつては生れて初めての経験であると同時に,おそらくこれが最後のものになるであろうと考えました。大体汽車の一等には,どんな種類の人達がのられるのであろう?との疑問を生じたのは,一週間の前の発売日に一日おくれて行つたら,もう満員であるという返事,そこであれこれ関係方面に手を廻したら,必要なだけチヤンと入手できた。これも不思議なはなし。そこでいよいよ乘客の品定めがしたくなつてきたのは無理からぬ話であろうと思います。
始発駅の大阪を出発する時は定席15名の半分程しか人がいなかつた。一輛の半分が席で,他の半分が展望車になつていて,展望車の席は数に入つていないものらしい。あとで気がついたのであるけれど,展望車の方に皆がいつてしまうと,席は全然空になつてしまう。従つて,一等乘客は,1人で,2人分の席を占めるものであることが了解できた。
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