Japanese
English
特集 新しい術式を評価する
エクスプレス挿入術
Ex-PRESS® glaucoma filtration device implantation
狩野 廉
1
Kiyoshi Kano
1
1福島アイクリニック
pp.1700-1706
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200142
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
アルコン®エクスプレス®緑内障フィルトレーションデバイス(以下,エクスプレス)はステンレス製の管腔構造のデバイスであり,エクスプレス挿入術はこのデバイスを強膜に埋め込み,前房内から結膜下へ房水を流出させる新しい濾過手術である。従来の線維柱帯切除術に比較して術中前房虚脱や前房出血を生じにくく,より安全に手術を遂行できるうえ,術後房水流出量が一定に制限され,術後早期低眼圧や前房出血,炎症惹起が少ないため,より早期に視力回復が得られる。一方で異物の挿入という性質上,デバイスの偏位や内腔閉塞,MRI検査の制限など従来とは異なる留意点があり,流出量の制限がときには濾過胞維持に不利となる。デバイスを用いることで理論的には常に一定した房水流出量を確保でき,再現性の高い濾過手術となる可能性があるが,手術成績や術後管理の必要性は従来の濾過手術と変わりなく,手術手技が容易だからと緑内障手術や術後管理に精通していない術者が安易に施行するべきではない。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.