症例報告
エクスプレスTM挿入術後早期に濾過胞感染をきたした1例
加藤 諒
1
,
結城 賢弥
1
,
小野 岳志
1
,
秋野 邦彦
1
,
坪田 一男
1
1慶應義塾大学医学部眼科学教室
キーワード:
緑内障
,
エクスプレスTM
,
濾過胞感染
,
マイトマイシンC
,
アトピー性皮膚炎
,
線維柱帯切除術
Keyword:
緑内障
,
エクスプレスTM
,
濾過胞感染
,
マイトマイシンC
,
アトピー性皮膚炎
,
線維柱帯切除術
pp.893-898
発行日 2021年9月5日
Published Date 2021/9/5
DOI https://doi.org/10.18888/ga.0000002262
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エクスプレス挿入術は,アルコンTMエクスプレスTM緑内障フィルトレーションデバイス(以下,エクスプレス)を強膜に埋め込む緑内障濾過手術である。また濾過胞感染症は緑内障濾過手術に共通する最も重篤な合併症のひとつである。線維柱帯切除術の術後5年間での濾過胞感染の発生率は1.5~2.2%といった報告があるが,術後1か月以内に発症した例はまれであった。エクスプレス挿入術後の濾過胞感染の報告は多くない。今回,我々は原発開放隅角緑内障に対しマイトマイシンC併用エクスプレス挿入術を施行し,術後早期に濾過胞感染を生じた1例を経験したので報告する。症例は60歳男性で,右眼に対しエクスプレス挿入術を施行し,術後23日目に充血と眼脂を認め,stageⅡ濾過胞感染の診断となった。抗菌薬の結膜下注射,硝子体注射,点眼,点滴静注で軽快した。
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