今月の表紙
扁平角膜
小林 泰子
1
,
近間 泰一郎
2
,
稲谷 大
3
1川崎医療福祉大学
2広島大学
3福井大学
pp.1403
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200005
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症例は46歳。両眼の充血と痛みを感じ,近医を受診した。近医で扁平角膜を指摘され,精査目的のため当科を紹介された。両眼の角膜全周は,結膜血管組織が侵入していたが上皮障害はみられなかった。細隙灯顕微鏡による側方からの観察では,扁平角膜特有の角膜の平坦化がみられた。角膜横径は両眼10mmであった。
撮影にはTOPCON社製SL-D8Z(Nikon D90搭載)を使用した。正面像,側方像ともに,スリット幅を全開にして主光源に拡散板をかけ,背景照明オフ,フラッシュステップ2にして倍率10倍で撮影した。なお,正面像は撮影光路を角膜の正面にして照明光路を耳側約30°,側方像は角膜の平坦化や浅前房の状態がわかりやすいように撮影光路を角膜のほぼ真横にして照明光路が角膜のほぼ正面にくるように設定した。本症例は,角膜周囲が結膜の侵入により混濁し透明な角膜の部分よりも結膜の占める面積が広いため,ハレーションが生じないように注意した。また,角膜輪部の状態をしっかり捉えるために,十分に開瞼しながら撮影した。
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