今月の表紙
Squamous cell carcinoma in situ〔上皮内癌(扁平上皮癌)〕
小林 泰子
1
,
鈴木 康之
2
1山口大学眼科
2東海大学医学部付属八王子病院眼科
pp.1431
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102855
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症例は77歳,女性。左眼角膜腫瘍の精査・加療目的で当科を紹介された。腫瘍組織(異型上皮)は角膜輪部3/4(12時~9時)の範囲で,結膜から角膜中心部に向かって進展していた。瞳孔領にはわずかにかかるのみで,矯正視力0.4×IOLであった。4時方向輪部には白色の結節性隆起性病変を認めた。マイトマイシンC処理および羊膜移植併用の腫瘍切除術を施行した。病理組織診断ではsquamous cell carcinoma in situであった。術後矯正視力は0.7×IOLまで回復した。
撮影に際しての注意点は,腫瘍組織を全体像で捉えるために十分に開眼し,腫瘍の進展範囲を知るためにフルオレセインおよびローズベンガル染色を行った。Carl Zeiss Meditec社製フォトスリットランプ40 SL-P(カメラはCanon EOS-1)を用い,倍率10倍,絞り64,フラッシュステップ2,周辺フラッシュなしで,スリット長9mm,スリット幅全開の光を耳側30°に振り全体像を撮影した。
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