書評
《眼科臨床エキスパート》所見から考えるぶどう膜炎
宇多 重員
1
1二本松眼科病院
pp.650
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410105221
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眼免疫に詳しい園田康平教授,眼病理に詳しい後藤浩教授の編集の下,第一線で活躍するエキスパートの先生方のご執筆でまとめられた本書は「専門外であっても最新の知識のアップデートを容易にし,明日からすぐ診療に役立つ内容を」との目的で発刊された。
眼科の強みは「見てわかる」ことである。しかしぶどう膜炎患者においては,それぞれの所見が原因疾患の同定に直接結び付くわけではないのが難しいところである。疾病背景には自己免疫疾患,感染症,血液疾患,悪性腫瘍など,全身異常が関与していることが多いが,初診時に全身検査を行うことは臨床の現場では難しいのが実情である。それ故,診断が難しい。また軽症と思って加療していたら突然悪化することも少なくなく,放置すれば中途失明する疾患も数多い。さらに再発の可能性が高い慢性病でもあることから,ぶどう膜炎は眼科医泣かせの疾患といえる。
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