Japanese
English
連載 硝子体手術アジュバント―知っておきたいコツと落とし穴・第4回
抗VEGF療法(小児への使用例を含む)
Anti-VEGF therapy(including examples of how it is used for infants)
佐藤 達彦
1
,
日下 俊次
2
Tatsuhiko Sato
1
,
Shunji Kusaka
2
1大阪労災病院眼科
2近畿大学医学部堺病院眼科
pp.616-622
発行日 2014年5月15日
Published Date 2014/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410105215
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
落とし穴とそれを避けるためのコツ
1.抗VEGF薬の硝子体注射によって起こりうる眼合併症として,細菌性眼内炎,水晶体穿孔,網膜剝離などが挙げられる。それらを避けるコツとして,
・特に手術室以外で注射を行う場合には,術者,患者ともマスクを着用し,会話をできるだけ避ける。
・特に未熟児に注射を行う場合には,水晶体が眼内に占める体積が大きいので,刺入方向を眼球中心方向ではなく,後極部方向に向ける。
2.抗VEGF薬の硝子体内投与によって,特に円周方向に連続した線維血管増殖膜を有する症例などでは,牽引性網膜剝離の合併もしくは増悪を認めることがある。それを避けるコツとして,
・そのような症例には,なるべく抗VEGF薬を投与しない。
・投与が必要な場合には,投与後早期の硝子体手術を計画する。
3.抗VEGF薬の硝子体内投与によって起こりうる全身合併症として,脳血管イベントなどが挙げられる。それらをなるべく避けるため,
・投与しなければならない症例を限定する。
・投与が必要な場合,必要最小限量を投与する。
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.