Japanese
English
連載 今月の話題
強度近視眼の画像診断の進歩
The recent advance in image analysis of eyes with pathologic myopia
大野 京子
1
,
森山 無価
1
Kyoko Ohno-Matsui
1
,
Muka Moriyama
1
1東京医科歯科大学眼科学教室
pp.1611-1620
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410104925
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
強度近視という病態は,眼科画像診断解析に非常に適した病態ではないだろうか。以前からインドシアニングリーン赤外蛍光眼底造影(IA)などにより,強度近視眼では,網膜脈絡膜の高度な菲薄化に伴い,正視眼では観察できない強膜内および球後血管が観察されることが知られていた。最近の光干渉断層計(OCT)の進歩に伴い,強度近視眼では眼球深部構造を明瞭に可視化することが可能となり,強度近視眼の病態解明が進んだだけでなく,正視眼では観察できないレベルの深部構造の可視化という大きな意味をもつ。さらに微細構造の可視化にとどまらず,3D MRIを用いた眼球形状の解析は,生体において,眼球そのものの形を3次元的に捉えるという新たな画像診断の領域を切り開いた。今後,病的近視において,後天的な眼球変形がいかに網膜・視神経を障害するかが明らかとなり,それに基づき視覚障害が生じる前に未然に是正する治療の確立へと結びつくと期待される。
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.