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はじめに
専門別研究会は,2008年から日本臨床眼科学会に統合され,視野研究会も日本眼科学会から日本臨床眼科学会に移った。今回は福岡で行われた第63回日本臨床眼科学会初日2009年10月9日(金曜)午前に開催された。プログラムの運営上,午前8時10分からの開始という朝早いスケジュールにもかかわらず,参加者は180名と盛況であった。本研究会の会長を2005年から務めておられた故北原健二先生は,2008年10月に開催された前回の視野研究会を最後に会長職を辞することを表明しておられた。しかし,体調を崩されて研究会を欠席された直後に突然ご逝去されたとの知らせを受けた。北原先生は長年にわたって視野研究会の発展に寄与され,その温厚なお人柄で多くのお弟子さんを育成してこられた。その早すぎるご逝去を悼み,この場をお借りして心からご冥福をお祈り申し上げる。
今回の視野研究会は,まず北原健二先生への黙祷から始まり,特別シンポジウムとして,「北原健二先生メモリアル」を企画させていただいた。このセッションは北原先生のお弟子さんである5人の先生方に,視野に関係する以外のことも含めて,北原先生のご業績を紹介していただく企画である。座長は視野研究会の現会長である松本長太先生が務められた。
ご講演いただいたのは東京慈恵会医科大学で北原先生のご薫陶を受けられた中野匡先生,吉田正樹先生,仲泊聡先生,渡辺朗先生,林孝彰先生の5人である。北原先生の業績は幅広く,色視野を中心とした心理物理研究,色覚異常とそれに関連する遺伝子の研究,fMRIを用いた脳機能画像に関する研究などのお仕事を広く紹介していただくと同時に,北原先生のお人柄を偲ぶエピソードもご紹介いただいた。
引き続いて一般講演とシンポジウムを例年どおり企画させていただいた。一般演題6題とシンポジウム4題の内容を簡単に記させていただく。
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