第22回臨眼グループディスカッション
視野の会(第6回)
pp.925-927
発行日 1969年7月15日
Published Date 1969/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410204119
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視神経疾患の量的視野における光波長特性について
古田効男・藤堂勝己(大阪医大)
今までTübinger Perimeterによる静標視野測定法を用いて,おもに,視標の波長を中心にして測定した正常眼の基礎資料から,短波長光の450mμと長波長光の656mμとの間に,量的に網膜の視細胞の選択性に差のあることが判明した。今回は,さらに,視路における両波長光の特性にいて調べる目的で,視神経疾患と思われる6症例について測定した結果を報告した。
測定条件は,視野面輝度0.1asb,視標18',450mμと656mμ円形視標,測定部位水平経線視野視角30°の範囲である。6症例の内訳は,急性球後視神経炎4例,慢性軸性視神経炎と視神経網膜炎が各1例で,各症例の詳細な経過については省略するが,その経過は,種々多様である。いずれも,656mμの感度曲線の低下が強く認められており,その病状の回復時期になると上昇する場合が認められた。しかし450mμの感度曲線については,656mμの感度曲線と平行して低下する場合とまつたく低下しない場合とがあつた。このことから,視神経においても網膜同様,長・短両波長光に対する選択性があり,視神経疾患の場合,おもに長波長光の伝達経路すなわち錐体機能伝達経路が強く障害されやすいのでないかと思われる。
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