今月の表紙
虹彩囊腫
河田 直樹
1
,
鈴木 康之
2
1お茶の水・井上眼科クリニック画像診断課
2東海大学八王子病院
pp.133
発行日 2010年2月15日
Published Date 2010/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103072
- 有料閲覧
- 文献概要
症例は34歳の女性。明所における右眼視野の狭窄感を訴え他医を受診,その1か月後にセカンドオピニオンを求め当院を受診した。患眼は,5歳時に虹彩を「目打ち」で刺す外傷の既往があるが,外科的な治療はほどこされていない。
初診時の視力は右0.2(1.2×-1.00D()cyl-1.00D 145°),左0.4(1.2×-0.50D()cyl-1.00D 90°),眼圧は圧平眼圧計・非接触眼圧計ともに両眼16mmHg,相対的瞳孔求心路障害は陰性であった。Goldmann動的視野測定では狭窄,暗点ともに認めなかった。右眼の虹彩上の囊腫が視野狭窄感の原因と診断された。囊腫は角膜とは触れていない。囊腫部以外の前房は深く,視神経乳頭にも変化はないため経過観察となった。
Copyright © 2010, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.