連載 もっと医療コミュニケーション・24
患者が本当に言いたいことは何でしょう?―主訴の整理をしてあげましょう
佐藤 綾子
1,2
,
綾木 雅彦
3
1日本大学藝術学部
2国際パフォーマンス研究所
3昭和大学藤が丘リハビリテーション病院眼科
pp.1878-1880
発行日 2009年12月15日
Published Date 2009/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410103035
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「目の中にクラクラと雲の形のようなものが見えて,それは朝から晩まで見えているというよりは,昼間外に出たときとか,室内であっても比較的明るい部屋のほうが多くて,空に浮かんでいる雲の形でいえば,こんなような形なのですが,そのとき頭も痛くなるのです。いったいどうなっているんでしょうか?」と,こんな調子でなんだかとても説明が長々しくなってしまい,何を一番言いたいのかがよく伝わらない患者がいます。聞いている医師も,時間の関係もあって焦りのような気持ちをもち,内心「困ったなあ」と思い始めます。
こんな話を親しい友人のK先生に聞いて,私がふと思い出したのは,元夫だった心臓外科医Sの話です。彼は,患者の話がとぐろを巻いたように長くて,痛いのか痛くないのかさっぱりわからず,手術をしたいのかしたくないのかもよくわからないので,つい「そんなとぐろを巻いたような話し方は,ほとんど不定愁訴だね」と言ってしまったのでした。
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