特集 緑内障診療―グレーゾーンを越えて
Ⅱ.治療編
3.開放隅角緑内障
b.手術
《マイオピニオン》円蓋部切開 vs 輪部切開 おすすめはどちら?
松村 美代
1
1永田眼科
pp.292-293
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102976
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
濾過胞を作るのに,輪部で切開するという発想がなかったので,もともとは円蓋部切開で行っていた。しかし,円蓋部切開では,結膜縫合部の瘢痕が濾過胞の拡大をせき止めてしまうために円蓋部へ広がることができず,濾過量が多ければ丈の高い無血管の薄い濾過胞壁にならざるをえず,リスキーな濾過胞になってしまう。緑内障術者が多かれ少なかれこの印象をもったために,びまん性に後方へ広がる薄くない(できれば有血管の)濾過胞を求めて輪部切開が行われるようになった。輪部切開は切開部からの漏れが心配だったわけだが,縫合をきちんとすればその心配がないことがわかり,その後は眼圧下降効果と濾過胞の安全性という2点から考えて術者はそれぞれ選択しているといえよう。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.