コラム
HRTとOCTの乳頭形状解析の相違点
白柏 基宏
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科感覚統合医学講座視覚病態学分野
pp.98
発行日 2009年10月30日
Published Date 2009/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102928
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
近年のコンピュータ技術の進歩に伴い,種々の眼底画像解析装置が開発され,臨床に導入されている。緑内障診断に使用されている代表的な眼底画像解析装置として,共焦点走査レーザー検眼鏡(Heidelberg Retina Tomograph:HRT,Heidelberg Engineering社),走査レーザーポラリメーター,光干渉断層計(optical coherence tomograph:OCT)などがあり,これらの装置では視神経乳頭(乳頭)の形状や網膜神経線維層の厚さの定量的評価が可能である。HRTとOCTでは乳頭の形状を3次元的に解析することが可能であるが,両装置の解析方法には相違がみられる。
HRTは波長670nmのダイオードレーザーを光源とした共焦点走査レーザー検眼鏡である1)。HRTでは複数の2次元断層画像が作成され,解析に使用される。画像内の各測定点における眼底表面の高さが測定され,乳頭形状が3次元的に解析される。乳頭縁の耳側部から50μm後方の面,あるいはcurved surfaceと呼ばれる乳頭縁で囲まれた面が基準となり,乳頭形状に関する種々のパラメーターが算出される(図1)。緑内障診断プログラムとして,FSM,Moorfields Regression Analysis,Glaucoma Probability Scoreなどがある。
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.