連載 Estrogen Series・29
HRTと乳癌
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.1096-1097
発行日 1998年8月10日
Published Date 1998/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903380
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ホルモン補充療法(HRT)は,最近,広範囲に使用されている.HRTと乳癌の関連を調べた疫学的研究はすでに多くがなされている.HRTによる乳癌の発生増加はあまり大きいものではないかもしれないが,HRT使用者の絶対数の増加により,そのなかに乳癌が発見される機会は増加している.HRT使用者中にみる乳癌には一定の特長があるのだろうか?それに関する研究は多くはない.子宮内膜癌の場合には,HRT使用者にみる癌は一定の特長があると結論する研究もある1-3).
本研究は更年期後のHRT使用者に起きた乳癌には,その予後あるいは患者生存率に何らの特長がみられるかどうかを知ろうとしたものである.対象はHRT使用者に発生した乳癌患者68名,それとマッチしたHRTを使用していない乳癌患者272名で,フォローアップ期間は平均50か月,平均年齢は62歳である.
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