特集 網膜硝子体診療update
Ⅳ.注目の疾患
4.網膜色素変性
遺伝子解析
中村 誠
1
1名古屋大学大学院医学系研究科頭頸部・感覚器外科学講座(眼科学)
pp.309-316
発行日 2008年10月30日
Published Date 2008/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102509
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はじめに
網膜色素変性は,夜盲症,視野狭窄,視力低下を主徴とする代表的な遺伝性の網膜変性疾患である。杆体系の機能が錐体系の機能よりも先行して,あるいは重篤に障害される。遺伝形式はさまざまであるが,常染色体劣性遺伝形式が最も多く,X染色体劣性遺伝形式は少ない1)。原因となる遺伝子は多数あり,1990年にDryjaら2)により初めてロドプシンの点変異が報告されて以来,次々と原因遺伝子は同定され続けており,現在では約45種類以上の遺伝子が報告されている1)。
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