特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべてコラム
眼科研究こぼれ話
よく寝る研修医の話
吉田 宗徳
1
1名古屋市立大学
pp.330
発行日 2007年10月30日
Published Date 2007/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102059
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臨床研究というと,いまでも印象に残っているのは研修医のときのカルテ調べの経験である。現在のようなローテーション研修ではなかったので,私は1年目の研修を京都大学の眼科で受けさせていただき,2年目の6月には大阪の岸和田市民病院に赴任することとなった。赴任する少し前にオーベンの先生から臨床研究のテーマをいただいた。テーマは気体注入を併用したバックリング手術の成績に関するもので,過去10年分の症例を調べるように,というものであった。
余談になるが,このとき学会発表で「ガスタンポナーデ」という言葉を使用したところ,抄録をみられたある先生から,日本眼科学会眼科用語集に収載されていない用語を用いて学会発表してはならないということをわざわざお手紙で教えていただいた。この先生とはそれまで一面識もなかったので最初は驚いたが,考えてみればありがたいことである。当時は学会での質疑応答もすべて学会場でカードに記入して提出する必要があり,学会というものの緊張感はいまよりもずっと高かったような記憶がある。
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