特集 眼科専門医に必要な「全身疾患と眼」のすべてコラム
眼科研究こぼれ話
イモリ採り
小林 博
1
1小倉記念病院
pp.197
発行日 2007年10月30日
Published Date 2007/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410102025
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網膜色素上皮細胞には,神経網膜の代謝や視神経細胞外節の貪食などの機能のほかに,両生類や魚類では神経網膜や水晶体への再生機能があることが知られている。両生類でも,尻尾のあるもののみに色素上皮細胞の再生能がみられる。カエルではオタマジャクシのうちは再生能があるものの,成長してカエルになると再生能が失われる。
私は大学院で網膜色素上皮の水晶体細胞への形質転換系(分化転換系)について研究していた。そのため,大学院の多くの時間を愛知県岡崎市にある国立研究機構基礎生物学研究所で有意義に楽しく過ごした。日曜日でも午前1~2時まで実験していたが,夏には海水浴,プール泳,カブトムシ採り,冬にはスキーといろいろな行事があった。そのなかでも最も印象に残る行事は,春に行われる研究材料のイモリ採集である。本土にいるのはお腹が赤いアカハライモリであるのに対して,沖縄ではお腹の模様が手裏剣に似ているシュリケンイモリが棲息している(まだ,見たことがないので,一度見たいと思っている)。現在,京都大学理学部生物物理の教授で,当時われわれの中ボスであった阿形清和先生はイモリが好きで理学部に進学したというぐらい,みんなとにかくイモリが大好きであった。
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