特集 眼感染症診療ガイド
コラム 眼感染症への取り組み・いまむかし
英国での見聞
松田 彰
1
1理化学研究所
pp.125
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101433
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私は2001年4月から2年間,アトピー遺伝子研究で有名なJulian M Hopkin教授のラボに留学していました。Julianは11番染色体長腕とアトピー性疾患との関係を1989年に報告したオクスフォードグループのリーダーで,1997年に彼の故郷のウエールズに新設された医学部(University of Wales Swansea)にdirectorとして迎えられました。11番染色体説はその後,1994年に白川太郎先生(現京大教授)らによって,high affinity IgE receptorβ鎖(FcεRI-β)における遺伝子多型とアトピーとの相関という知見を加え,アトピー遺伝子研究の先駆けとなりました。
私自身は,白川教授のご紹介で,このFcεRI-βのアトピー性疾患における役割を研究するために,ウエールズに出発しました。いろいろなメディアにも紹介されていることですが,英国は個人主義の国,階級社会の国であり,さまざまな面で学ぶ点が多かったように思います。眼科などの専門医(consultantという階級に分類されます)の地位は非常に高く,公的保険であるNHSの患者のほかにプライベートの診療をすることが認められていますので,収入も平均的な労働者階級の3~5倍はあるようです。
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