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沖縄見聞録
吉田 光孝
1
1東邦大理学部
pp.56
発行日 1974年11月1日
Published Date 1974/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200624
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羽田からたった2時間あまりで,もう私たちは那覇空港に着いていた.8月中旬の温い海風がほおをなで,しばらくすると汗ばんでくる.ふと温度計をみると34℃を示していた.那覇市に向かう道々には,来年沖縄本島の北部で開かれる国際海洋博(Expo'75)のポスターがいたる所に見られ,国道などもだいぶ整備拡張されたり,水不足解消のための工事も行われている様子であった.
沖縄県の主催で,急に厚生省から講習会(実習を含む)の連絡を受けた私たちは,希望されたテーマに従って,一般検査(簡易検査,尿沈査など)を順大の猪狩,大竹で,酵素検査(アイソザイム,γ-GTP測定法など)を医歯大の佐野と私が担当した.講習会は那覇市,中部,宮古島,石垣島の4か所で行われたが,受講生は非常に熱心で実習では,技術的にもすぐれている人が多く見受けられた.しかし日常の仕事が忙しく,また勉強の機会や本が少ないように思われた.講習会は県庁の環境保健部(前田,川満技官ら)や技師会(金城会長,岸本副会長,金城幸永事務局長ら)のかたがたによって支えられ空路,40〜60分もある宮古,石垣の離島へ行く時も忙しいなかを実習準備のために同行してくださった.
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