学会見聞記

　第7回国際不妊学会は昭和46年10月17日から9日間にわたって東京プリンスホテルおよび国立京都国際会館において開催されました。国際学会の名にふさわしくその内容は盛りだくさんでしたが，そのなかから印象に残った点などを記してみたいと思います。

　この学会は生殖（リプロダクション）に関する学問を対象とする学会ですが，「生殖」という言葉はまだ日本人になじみがうすく，一般の理解も不十分なのでわが国では「不妊」という言葉で一応間に合せているといってよいでしょう。この学会の英語での正式の呼称は「妊孕性ならびに不妊性に関する世界会議」というのですが，「妊孕性という言葉もやはりむずかしいために，一般に理解されやすい不妊学会という言葉が用いられました。