特集 眼感染症診療ガイド
コラム 眼感染症への取り組み・いまむかし
急性出血性結膜炎ウイルスの発見
金子 行子
1
1至誠会第二病院
pp.134
発行日 2003年10月30日
Published Date 2003/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410101436
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新しいウイルスによる新型肺炎(SARS:重症急性呼吸器症候群)が今年世界を震撼させたが,その対応に苦慮している様子をみるにつけ,30数年前の急性出血性結膜炎(AHC)が同じように原因不明の新型ウイルス性結膜炎として世界中に猛威をふるった頃を思い出す。
1971年入局2年目の夏,私の所属していた東京女子医大眼科の内田幸男教授のもとに「潜伏期が1日しかないすごい“はやり目”が九州で大流行している」との情報が届いた。内田先生が「潜伏期がたった1日のウイルス結膜炎ねぇ」と首をかしげているうちに,この原因不明の結膜炎は野火の如く東京を通過し南から北へ日本列島を1年余で駆け巡り,世界的流行すなわちパンデミックの一部として日本全土への流行を認めるに至った。
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