特集 手術のタイミングとポイント
Ⅲ.網膜・硝子体
眼外傷―手術適応とそのタイミング
喜多 美穂里
1
1京都大学大学院医学研究科感覚運動系外科学(眼科学)
pp.151-155
発行日 2006年10月30日
Published Date 2006/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410100985
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はじめに
従来,眼外傷の分類は明確ではなく,報告間の比較検討が困難であった。近年,米国で眼外傷の分類を標準化しようとの試みがなされている1,2)。その1つであるKuhnら1)の分類は,まず眼球壁の全層損傷の有無で開放性と非開放性に分け,開放性外傷を,鈍的外力によって起こる瞬間的眼圧上昇から起こる内から外への損傷であるrupture(破裂)と,鋭的外力が外から内に直達して起こるlaceration(穿孔)とに分ける,発症機序に基づいた明確なものである。lacerationはさらにpenetrating(裂傷),intraocular foreign body(眼内異物),perforating(二重穿孔)に細分される(表1)。ここでの和訳は,河野3)の定義に従った。
本稿は,眼外傷をKuhnの分類に基づいて分類し,検討した自験データを示しながら,その手術適応,タイミングなどについて解説する。
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