症例
卵巣腫瘍,変性子宮筋腫との鑑別を要したcystic adenomyosisの1例
佐藤 賢一郎
1
,
水内 英充
2
,
高橋 弘
3
,
塚本 健一
4
,
藤田 美悧
4
1新日鐵室蘭総合病産婦人科
2みずうち産科婦人科
3新日鐵室蘭総合病院循環器内科
4新日鐵室蘭総合病院病理・臨床検査室
pp.209-213
発行日 2002年2月10日
Published Date 2002/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409905068
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子宮嚢腫は稀な病態であり,卵巣腫瘍との鑑別が困難であること,悪性病変の報告例もあることなど,臨床的に重要な問題点がある.今回,腫瘍マーカーが高値を示し,卵巣悪性腫瘍,変性子宮筋腫との鑑別が問題となったcysticadenomyosisの1例を経験した.
症例は52歳,2経妊,2経産.主訴は下腹部の圧迫感である.初経は14歳で,月経周期は整順(30日型),月経随伴症状は特になかった.内診所見,CT,経膣超音波では,子宮と連続して直径約8cmの一部充実部分を伴う嚢胞性の腫瘍を認め,腫瘍マーカーは,CA125130U/ml,SLX 58.7 U/mlが高値であった.子宮全摘術を施行し,病理組織検査でcysticadenomyosisと診断された.
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