今月の臨床 —どこまで可能か—悪性腫瘍治療と妊孕能温存
卵巣癌
3.胚細胞腫瘍における妊孕能温存の限界と術式
倉田 仁
1
,
青木 陽一
1
,
田中 憲一
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子細胞医学専攻遺伝子制御講座生殖器官制御学分野(産科婦人科学講座)
pp.997-999
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904706
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はじめに
悪性卵巣胚細胞性腫瘍は,悪性卵巣腫瘍の5〜10%前後を占め,上皮性悪性腫瘍と比較し発生頻度は低いが,10〜20歳代の若年女性に好発することから妊孕能温存が重要となる症例が多い.近年,BEP(bleomycin,etoposide,cisplatin)療法の導入により治療成績が向上し95%以上の生存率が期待できるようになり,組織型,臨床進行期を問わず妊孕能温存術式が選択されるようになってきた.
本稿では,悪性胚細胞性腫瘍の妊孕能温存手術について解説するとともに,当科における妊孕能温存症例の治療成績について報告する.
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