今月の臨床 —どこまで可能か—悪性腫瘍治療と妊孕能温存
卵巣癌
2.上皮性卵巣癌における妊孕能温存の限界と術式
角田 肇
1
,
吉川 裕之
1
1筑波大学臨床医学系産科婦人科
pp.993-995
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904705
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はじめに
婦人科悪性腫瘍の中でも卵巣悪性腫瘍は子宮頸癌,子宮体癌と比べ最も予後不良の癌である.したがって,その妊孕能温存に関しては他の悪性腫瘍以上に慎重にならなければならない.なかでも上皮性卵巣癌は,若年者に比較的多い胚細胞性腫瘍,上皮性卵巣腫瘍低悪性群に比べても圧倒的に予後不良である.しかし,若年者卵巣悪性腫瘍として胚細胞性腫瘍,上皮性卵巣腫瘍低悪性群,上皮性卵巣癌を一括して論じている文献も多く,卵巣腫瘍の妊孕能温存の限界とその術式について考える際には注意を要する.そこで,本稿では上皮性卵巣癌に限定してその妊孕能温存の限界と術式について論じてみたい.
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