今月の臨床 —どこまで可能か—悪性腫瘍治療と妊孕能温存
悪性腫瘍治療と妊孕能温存—最近の考え方
2.生殖医療の立場から
宮越 敬
1
,
吉村 泰典
1
1慶應義塾大学産婦人科
pp.945-949
発行日 2002年8月10日
Published Date 2002/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904695
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はじめに
各臓器の癌治療において手術療法のみならず放射線・化学療法の果たす役割は大きく,これらの治療が奏効する場合には長期生存が期待されるようになってきた.このような長期予後の改善にともない,治療後の生活の質(quality of life:QOL)が重視されている.例えば,放射線療法および化学療法の副作用の1つとして無精子症や無排卵症があげられ,若年者においては妊孕能を温存することが重要な課題となっている.本稿では,悪性腫瘍治療と卵巣機能・妊孕能温存について概説する.
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