今月の臨床 子宮内膜症治療のストラテジー
各論
2.治療方針の立て方
原田 省
1
1鳥取大学医学部産科婦人科学教室
pp.1318-1320
発行日 2001年12月10日
Published Date 2001/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904493
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はじめに
子宮内膜症は生殖年齢女性の少なくとも5%に発生し,月経痛と不妊症をひき起こし女性のqual—ity of lifeを著しく損なう疾患である.内膜症の発生病因は未だ明らかではないが,逆流した月経血中に含まれる内膜細胞が腹膜に移植したのち増殖するという移植説と,腹膜が腹腔内貯留液の刺激によって化生を起こすという化生説が有力である.いずれにしても,月経血の逆流がキーファクターとなる.発生病因が明らかでないことから,本症の治療方針についても未だ定見は得られていない.本稿では,現在までに得られている子宮内膜症治療に関するevidenceを紹介し,治療方針の立て方について解説する.
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