特集 胆道・膵疾患を診る―早期診断・早期治療のために
胆膵実地診療のコツ
胆膵疾患を疑う症状と検査方針の立て方
佐藤 達也
1
,
中井 陽介
1
,
藤城 光弘
1
1東京大学 消化器内科
キーワード:
鑑別診断
,
上腹部痛
,
ファーストステップの検査
Keyword:
鑑別診断
,
上腹部痛
,
ファーストステップの検査
pp.21-25
発行日 2022年7月1日
Published Date 2022/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika130_21
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Summary
▪胆膵疾患の診断では,臨床症状から胆膵疾患を疑って鑑別にあげることが大切である.
▪初発症状として上腹部痛の頻度が高い.腹痛の局在と性状に注目すると,ある程度鑑別疾患を絞り込むことができる.その際には随伴症状にも注目する.
▪高齢者は典型的な腹痛を訴えず,発熱や嘔吐などの非特異的な症状で受診することがある.
▪急性胆囊炎ではMurphy徴候や超音波Murphy徴候が診断に有用である.
▪急性胆管炎は悪寒戦慄や黄疸が主症状となることが多く,Charcot 3徴が揃わないこともめずらしくない.
▪急性膵炎では心窩部痛以外に嘔吐,発熱,背部痛がみられる.アルコール多飲と胆石の有無を評価する.
▪腹痛,食思不振,体重減少,黄疸をみたら,膵がん・胆道がんなどの悪性腫瘍を想起する.
© Nankodo Co., Ltd., 2022