今月の臨床 子宮内膜症治療のストラテジー
各論
3.不妊治療と子宮内膜症
太田 博孝
1
,
田中 俊誠
1
1秋田大学医学部産婦人科
pp.1321-1323
発行日 2001年12月10日
Published Date 2001/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904494
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はじめに
子宮内膜症の不妊原因は単一ではない.本症の不妊原因としては,癒着などによる物理的障害から,排卵・受精から卵の発育,着床障害に至るまでの機序が考えられている.最近の医療技術の進歩により,子宮内膜症の各障害を回避することで本症の妊娠率を他因子不妊例の治療成績にまで改善させることが可能となってきた.後方視的にみてみると,本症の治療成績を左右する主な問題点として,癒着による卵の捕捉障害,卵子や受精卵の質低下および着床障害の3因子があげられる.本稿では上記3因子に注目し,その治療戦略について述べる.
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