症例
卵巣腫瘍と術前の鑑別診断が困難であった腸間膜原発のhemangiopericytomaの1例
横須賀 薫
1
,
梅崎 泉
1
,
相羽 早百合
1
,
山根 貴夫
2
,
山下 由紀
2
,
畑中 正行
2
,
吉田 一成
2
,
梁 英樹
2
1至誠会第二病院産婦人科
2至誠会第二病院外科
pp.1279-1282
発行日 2001年11月10日
Published Date 2001/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904486
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今回われわれは,婦人科領域ではあまり遭遇しない腸間膜原発のhemangiopericytomaの1例を経験したので報告する.
症例は45歳,下腹部痛・膨満感を主訴に来院し.術前諸検査にて卵巣癌または原発不明肉腫疑いと診断され手術が施行された.腫瘍は黄白色で分葉したように大小結節状の腫瘤からなり.静脈性の出血が多く認められた,HE染色標本にて,単一調の短紡錘形異型細胞がきわめて富細胞性に増殖して渦巻き状の流れがみられ,腫瘍細胞の大小不同や核型不整も中等度に認め,毛細血管周囲に増殖していた.核分裂像(8/10HPF)や壊死・出血像もみられた.免疫染色(vimentin一部陽性,CD34極一部陽性),鍍銀染色(腫瘍細胞を取り囲む膠原線維の染色)の結果も診断を裏付けた.
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