症例
付属器摘出術後に発生した胎児心拍陽性遺残卵管峡部妊娠に対して腹腔鏡下卵管摘出術が有用であった1例
河合 志乃
1
,
竹田 明宏
1
,
真鍋 修一
1
,
中村 浩美
1
1岐阜県立多治見病院産婦人科
pp.1283-1285
発行日 2001年11月10日
Published Date 2001/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409904487
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症例は36歳.27歳時に,当科で右皮様嚢胞腫のために右付属器摘出術を受けている.今回,妊娠反応陽性,不正出血を主訴に近医を受診した.子宮内に胎嚢はなく,右付属器領域に胎児心拍を伴う胎嚢様の像を認めたため当科を紹介され,遺残卵管峡部に発生した胎児心拍陽性子宮外妊娠と診断し緊急腹腔鏡下手術を行った.腹腔内出血はなかった.遺残卵管遠位端は閉鎖していることから,受精卵の内遊走により発生した子宮外妊娠と考えられた.超音波凝固切開装置により右遺残卵管摘出術を行い,術後経過は良好であった.
遺残卵管子宮外妊娠はきわめて稀な疾患であるが,このような疾患の存在を念頭に置き,外来診療に当たることが重要であると思われた.
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